研究課題/領域番号 |
09460111
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
藤居 良夫 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (60181327)
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研究分担者 |
井口 隆史 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (70032604)
鹿取 悦子 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (30273923)
伊藤 勝久 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (80159863)
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キーワード | 中山間地域 / 集落 / 農林業 / 環境保全 / 定量的要因 / 定性的要因 / データーベース |
研究概要 |
歴史的な過程や様々な環境条件(物理的・生態学的・社会的・経済的・経営的等)となる定量的及び定性的要因を加味した中山間地域農村の分析から、地理情報システムを援用した農村の再構成化の手法を検討すること、さらに将来の直接的所得補償政策の可能性において、その対象範囲や負担の程度を面的に把握するための基礎的資料を得ることも併せて検討することを目的として、本年度は代表的地域の現地調査と空間分析のためのデータベースの構築を行った。 (1)中山間地域として東北地方(岩手県山形村・岩泉町)、四国地方(高知県大豊町・十和村)、中国地方(島根県大東町・仁多町・弥栄村)、九州地方(宮崎県西郷村・諸塚村・椎葉村)の代表的な集落に対して農林業生産・集落の現況と歴史的過程・地域資源の維持管理状況等の現地調査を実施した。これに基づき、各地域の集落構造・農林業構造の変化、農林業生産の推移、農山村環境の変化、土地利用形態等の定量的及び定性的データを収集・整理した。(2)特に中国地方を中心に地形及び地質、土壌及び植生構造、土地利用等のデータを収集し、50mメッシュのラスター型データベースを作成した。(3)このデータベースを利用して、中山間地域における環境保全機能(土砂崩壊防止機能・洪水防止機能・土壌侵食防止機能)を面的に定量的評価を行った。その結果、森林や水田における環境保全機能の重要性が把握できた。 一般的には、中山間地域の農林業生産を維持することで、経済的効果、環境保全的効果、定住促進効果等の効果があるといわれているが、これは集落レベルで考慮すべき問題であると考えられる。従って、今後、集落を単位として、集落のもつ物理的な定量的要因と住民の意向などの定性的要因を加味した中山間地域農村の評価と将来のあり方を検討し、政策的な基準を含めた中山間地域の評価モデルを検討する予定である。
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