研究概要 |
農業の自動化を一層推進することを目的として農業用車両の自律走行システム開発が行われている。しかし、従来の研究は圃場内における車両の自律走行のみに集中しており、自動化を完成するために必要となる、資材の自動補給、作業機の着脱、道路走行といった動作の自動化の研究はほとんど行われていない。そこで、本研究ではこれら技術の開発を行っている。具体的には、車両の走行軌跡を制御して、資材補給点(または着脱点)に車両を誘導し、かつ車両の姿勢を適正な状態にする。本年度は、非線形制御理論を援用し開発した前輪操舵車両の誘導制御アルゴリズムを、実験用車両に導入し実験を行った。実験では、フィードバック制御を導入し,環境にロバストな制御を行った。その結果,コンクリート路面や草地では誤差が2-3cmになった。また,軟弱な路面での実験も誤差は4%以下であった。レーザーセンサによる移動する対象物の認識実験を行い、相対距離5m以下では精度良く対象物位置を検出可能であることがわかった。また、画像処理による自律走行環境認識の研究を別途すすめ、既耕耘地と未耕耘地との境界線を検出する、移動物体を検出する研究をすすめ一定の成果を得ている。これら研究成果は、1件が学術誌に掲載され,3件が投稿中であり,国際学会で1件の発表を行った。
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