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1997 年度 実績報告書

水体の貯熱特性と湖効果が周辺の生物生産に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 09460117
研究機関北海道大学

研究代表者

浦野 慎一  北海道大学, 農学部, 助教授 (40096780)

研究分担者 山梨 光訓  専修大学北海道短期大学, 土木科, 教授 (10099111)
町村 尚  北海道大学, 農学部, 助手 (30190383)
上田 宏  北海道大学, 水産学部, 助教授 (00160177)
高橋 英紀  北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助教授 (20001472)
堀口 郁夫  北海道大学, 農学部, 教授 (10001439)
キーワード湖効果 / 熱収支 / 貯熱特性 / 貯熱伝達量 / 貯熱変化量
研究概要

本年度は、陸地水体の湖効果の特徴を把握することを目的に、洞爺湖を対象に湖とその周辺で水文気象観測を行い、洞爺湖における湖効果出現の有無とその時期的特徴について検討した。またその原因を、湖の貯熱特性、湖と陸地の熱収支の違いから検討した。その結果、次のような知見が得られた。
1.湖とその周辺の気温(温位)を比較した結果、湖面の気温は湖から離れた対照区の成香の気温と比べて、夏期に低く、冬期に高かった。また湖岸の臨湖実験所および仲洞爺の気温は両者のほぼ中間の値であった。これにより、湖岸の気温は湖の気温に影響されていること、つまり湖効果が現れていることが確認された。しかし臨湖実験所と仲桐爺では影響の度合いが異なることから、湖効果の強さとその地域的分布は風向風速によるところが大きいと推測された。
2.熱収支解析から、湖面の顕熱伝達量Hと蒸発量Eは陸地のそれと変化の位相が約半年ずれており、冬に大きく夏に小さいこと、またこのような両者のHの変化の違いが、湖面と陸地の気温差を作り出しており、ひいては湖効果の原因になっていることがわかった。
3.湖の顕熱伝達量Hの変化が陸地のそれと違うのは、水体の貯熱変化量Gの影響に寄るところが大きいことが明らかになった。すなわち、Gは正味放射量Rnと比べて、変化の位相か約半年ずれており、本体は夏に熱を吸収し冬に放出していることがわかった。これによりHの変化の位相が陸地と半年ずれることが明らかになった。
4.以上のことから、本体の貯熱変化量Gが湖の顕熱伝達量Hを変化させ、ひいては湖効果を生じさせるという、湖効果の熱的構造が明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 上田 宏: "森林と湖の関わり:サケ科魚類からのアプローチ" 北方林業. 50. 1-4 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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