研究概要 |
ニワトリの窒素代謝における盲腸の役割を明らかにするたme,盲腸の結紮が低タンパク質飼料と尿素を給与したニワトリの窒素の利用性と排泄に及ぼす影響について検討をした。その結果,盲腸の結紮は窒素バランスと窒素の利用性を対照鶏の2倍以上にも改善し,尿酸の排泄量を1日当たり77mgまで減少させ,結果として総窒素排泄量を減少させた。しかしその結紮は,尿素やアンモニアの排泄へ影響しなかった。これらの結果から,ニワトリの窒素代謝は盲腸内への尿や消化物の流入が阻止されることによる発酵の変化によって影響される事が結論された。 次に,盲腸の摘出が窒素の利用性と排泄量に及ぼす影響を低タンパク質飼料と尿素を給与したニワトリで調べた結果,この摘出は窒素のバランスと利用性を増加させる傾向があり,尿酸排泄量を減少させた。尿素とアンモニアの排泄量は盲腸摘出によってそれぞれ約60%増加あるいは減少した。これらの結果は盲腸結紮で得られた結果と同じであった。したがって,盲腸内への消化物と尿の流入の阻止は窒素の利用性を改善することが明らかになった。 以上の実験結果から,ニワトリの盲腸は窒素代謝において重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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