ニワトリにおいては精子の凍結保存は可能であるが、精子の凍結保存のみでは鳥類の遺伝資源を完全な型で保存する事はできない。そこで、将来精祖細胞または卵祖細胞に分化する細胞である始原生殖細胞(PGCs)を回収、保存並びに移植し、生殖系列キメラを作製する事により家禽における遺伝資源の保存ができると考え研究を行ってきた。 そこで、ニワトリ5日胚の生殖腺原基から回収されたgPGCsを用いて生殖系列キメラ作製を試みた。5日胚生殖腺原基から回収されたgPGCsを凍結・融解後に2日胚の血管内に移植し後代検定を行った結果、凍結・融解されたgPGCsに由来するヒナの生産が確認された。その結果、ニワトリ5日胚の生殖腺原基から回収されたgPGCsを用いてニワトリ遺伝資源の保存が可能である事が示された。
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