本研究においては様々な条件下におけるニワトリ初期胚血液1μl中のPGCsの変動パターンを調べた上で 2)ニワトリ初期胚血液中に含まれている総PGCs数を推定する事により、実験毎に回収することができるPGCs数が大きく変動する理由を探り、さらに最も効率よくPGCsを回収することができる実験条件を探ることを目的に一連の実験を行った。 その結果、1)ニワトリ初期胚血液1μlに含まれるPGC数はステージ13から15にかけて最も多く、ステージ16から減少し、ステージ17ではほとんど血液中にPGCsは認められなかったこと 2)貯卵期間が2週間の達すると血液1μlに含まれるPGC数が有意に減少すること 3)ニワトリ初期胚血液1μl中に存在するPGC数には受精卵を生産した雌間に差違が存在すること 4)同一胚から4時間間隔で3回採血を行い血液1μl中に存在するPGC数の変化を求めた結果、ニワトリ初期胚血液1μl中に存在するPGC数は経時的に減少すること 5)ニワトリ初期胚血液中に存在する総PGCs数はステージ14においては平均807.4±137個、ステージ15においては平均857.0±239であること 6)5個または6個の受精卵から採取された血液を混合した後フィルターする事により平均54.4±6.3%の率でPGCsが回収されること 7)数個の受精卵から採取された血液を凍結・融解後フィルターする事により平均31.4±15.7%の率で正常なPGCsが回収されることが明らかになった。現在、フィルター法により回収されたPGCsを用いて生殖系列キメラを作製する準備を進めている。
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