研究課題/領域番号 |
09460133
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桑原 幹典 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (10002081)
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研究分担者 |
田島 誉士 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 講師 (90202168)
木村 和弘 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (30192561)
稲波 修 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (10193559)
永幡 肇 酪農学園大学獣医学部, 助教授 (10133571)
首藤 文栄 岩手大学, 農学部, 教授 (60001533)
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キーワード | 牛白血球粘着不全症 / NADPHオキシダーゼ / 電子スピン共鳴法 / 生体防御機構 / シグナル伝達 / ケミルミネッセンス / インテグリンファミリー / キナーゼ |
研究概要 |
本年度は正常牛好中球のNADPHオキシダーゼ活性を評価するために、スーパーオキサイド(O_2-)の測定法を確立する。まず、直接生成したO_2-のラジカルとしての性質を利用して測定する方法として、電子スピン共鳴法(ESR)を適応した。O_2-を安定化しニトロオキサイドラジカルに特異的に変換させるための試薬として5,5-dimethyl-pyrroline N-oxide(DMPO)を用いた.牛好中球は、血清オプソニン化ザイモザン(OZ)あるいはホルボール(PMA)を用いてDMPO存在下で刺激した。刺激後、ESR測定を行ったところ、O_2-の生成を示すシグナルが得られた。しかし、この方法はO_2-の定量的測定には不向きであることが判明した。そこで、ルミノール用いた化学発光量による定量的測定法を用いて、OZあるいはPMAで正常好中球を刺激した時の、O_2-の生成量を評価した。更に情報伝達経路を評価するために各種キナーゼ阻害剤を用いて検討した。Cキナーゼ阻害剤としてGF109203Xを、MAPキナーゼ阻害剤としてPD98059、p38(HOG)の阻害剤としてSB203580、PI3キナーゼ阻害剤としてワ-トマニンを用いて評価した。PMAで刺激した際NADPHオキシダーゼの活性は、GF109203Xでほぼ完全に阻害された。このことはCキナーゼが活性がPMA刺激の際には重要であることを意味している。またOZ刺激の際にはp38阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、Cキナーゼ阻害剤が効果が見られ、MAPキナーゼ阻害剤にはNADPHオキシダーゼの阻害効果は見いだされなかった。このことはOZ刺激の際にはCキナーゼ以外にもキナーゼの関与があると考えられる。来年度は、粘着不全症牛の好中球について検討し、オキシダーゼのコンポーネントであるp47phoxのリン酸化に着目して検討する予定である。
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