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1997 年度 実績報告書

黒毛和種牛バンド3欠損症における致死性回避の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 09460145
研究機関東京大学

研究代表者

稲葉 睦  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00183179)

研究分担者 高桑 雄一  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40113740)
松木 直章  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40251417)
土井 邦雄  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70155612)
高橋 迪雄  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30011943)
長谷川 篤彦  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90011923)
キーワード赤血球 / 膜蛋白質 / バンド3 / 遺伝性疾患 / 陰イオン輸送 / 酸塩基平衡 / 膜骨格 / 黒毛和種牛
研究概要

A.新生子期の高致死率をもたらす要因の解明
1.新生子期における赤血球の膜蛋白質、膜脂質、血漿脂質等を解析し、成牛赤血球との相違を検討した結果、牛の場合、出生直後の血液が老化した形態異常(Poikilocytosis、あるいはAcanthocytosis様)を示す赤血球で占められることが判明した。これは出生前後の時期、生理的な赤血球の産生低下が生じていることを示すものである。この時期の赤血球の変形能、安定性を検討中である。
B.ヘテロ接合型個体における潜在病態の解明
1.先に確立したPCR-RFLP法により、約150頭の黒毛和種牛の遺伝子診断を実施、20頭のヘテロ接合型個体を検出・同定した。
2.上記へテロ個体とホモ個体について、一般臨床検査、赤血球膜蛋白質構成、赤血球形態、アニオン輸送の解析を行い、ヘテロ接合型赤血球に表現型の異常、即ち、バンド3、他の膜骨格蛋白質の部分欠損、球状赤血球症、アニオン(^<35>SO_4^<2->)輸送能の低下が明らかなこと、したがって本疾患が常染色体性優性遺伝であることを立証した。同時に、赤血球産生が盛んで球状赤血球症による貧血を完全に代償していることが判明した。
C.酸素・二酸化炭素交換の代償機構の解明
1.既報でホモ接合型赤血球内の塩素イオン濃度の低下、pHの上昇が明らかとなった。水チャネルブロッカー等を用いた各種条件下における検討から、これが赤血球内におけるHCO_3^-の蓄積によるものとの示唆を得た。したがって、二酸化炭素の効率的運搬に患牛赤血球は寄与していないことになる。その代償作用として、今後、炭酸脱水素酵素(CA)の適応、特にを、末梢組織で産生されたCO_2を赤血球外でHCO_3^-へ変換するアイソザイムCAIVの発現(mRNAと蛋白質の検索)を解析する。
D.バンド3欠損が他の膜骨格蛋白質の部分欠損をもたらす機序の解明
1.特にバンド3欠損にともない、ほぼ完全に消失するP4.2に焦点をあてた解析を培養細胞系で行うために、牛赤血球膜P4.2の遺伝子(cDNA)を単離した。逆に、量的変化を認めないP4.1についても同様の目的でcDNAの単離を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Matsumoto,M., 他2名: "Molecular basis of bovine red cell protein 4.2 polymorphysm in Japanese black cattle" Biochem.J.(in press). (1998)

  • [文献書誌] Nunomura,M., 他5名: "Regulation of CD-44-protein 4.1 interaction by Ca and calmodulin-Implications for modulation of CD44-ankyrin interaction-" J.Biol.Chem.272(48). 30322-30328 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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