研究課題/領域番号 |
09460148
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研究機関 | 日本獣医畜産大学 |
研究代表者 |
新井 敏郎 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (70184257)
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研究分担者 |
大河原 久子 東京女子医科大学, 総合医学研究所, 講師 (10075468)
大石 巌 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (50081592)
左向 敏紀 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (70153971)
土田 修一 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (20217326)
斎藤 徹 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (70211258)
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キーワード | 犬猫 / 糖尿病 / インスリン / グルコキナーゼ / RT-PCR法 / 人工膵島 / ストレプトゾトシン / 遺伝子診断 |
研究概要 |
1.犬猫における糖尿病の誘発:犬にストレプトゾトシンを30mg/kg体重の用量で投与すると20%の個体にインスリン依存型糖尿病(IDDM)が、残りの個体には非インスリン依存型糖尿病(NIDDM)が誘発できることが明らかとなった。25mg/kgの用量ではIDDMは誘発されず、いっぽう、50mg/kgの高用量では50%の個体が死亡した。 2.人工膵島の移植:マイクロカプセル型及びディフュージョンチャンバー型のバイオ人工膵島の開発に成功し、これらの糖尿病犬への移植を試みた。数カ月間にわたり血糖値を正常範囲内に維持することが出来、良好な結果が得られている。今後、さらに頭数を増やして検討を重ねていく予定である。 3.白血球酵素活性の比較:犬、猫の白血球中のインスリン反応性の酵素を中心にその活性を測定した。解糖系の律速酵素であるグルコキナーゼ、ピルビン酸キナーゼ活性に犬猫の間で大きな種差が認められた。猫の白血球ではグルコキナーゼが欠損し、ピルビン酸キナーゼは犬に比べて有意に高かった。犬、猫の間にはグルコース利用に関して顕著な種差の存在することや猫の白血球ではグルコース以外の糖を利用している可能性が示唆された。 4.白血球グルコキナーゼmRNA発現:ヒト及びマウスのグルコキナーゼ遺伝子のシーケンスから推定される各種動物間で高率に保存されている領域に特異的なプライマーを用いてreverse transcription polymerase chain reaction(RT-PCR)法によりグルコキナーゼmRNAの発現を調べた。犬白血球にはグルコキナーゼ遺伝子の発現が認められたが、猫では発現が認められなかった。犬でも絶食するとグルコキナーゼmRNAの発現が消失することからインスリン分泌反応の有無の遺伝子診断マーカーとしての本酵素遺伝子の有用性が示唆された。
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