研究課題/領域番号 |
09460150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
豊水 正昭 東北大学, 農学部, 助教授 (10201203)
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研究分担者 |
中井 裕 東北大学, 農学部, 助教授 (80155655)
中村 恵江 東北大学, 農学部, 助手 (10005613)
渡辺 剛志 新潟大学, 農学部, 教授 (10201203)
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キーワード | スピルリナ / 外来遺伝子 / 増殖応答 / エレクトロポレーション法 / CAT遺伝子 |
研究概要 |
今年度は、スピルリナへの外来遺伝子の導入実験と各種培養条件に対する増殖応答実験を行った。外来遺伝子導入実験では、導入にエレクトロポレーション法を、導入フラスミドとしてCAT遺伝子を組み込んむ2つのブラスミド、pUC系のpHSG399と広宿主領域pACYC系のpSTV28を用いた。なお、宿主は超音波破砕機によって細胞糸を細切し、エレクトロポレーションの条件は、実効電圧6kV/cm、2.5msとした。エレクトロポレーション後、クロラムフェニコールを含む寒天培地で培養したところ、2週間後に抗生物質耐性株の生育を観察した。無処置区で、通常の生育を見せ、クロラムフェニコールで細胞はほぼ死滅したが、外来遺伝子D導入区では、クロラムフェニコール存在下での生育に有意な改善が認められた。また、導入区の間ではpHSG399導入区の方がpSTV28導入区よりも抗生物質耐性株がより多く観察された。顕微鏡像からも、外来遺伝子導入した区で、クロラムフェニコール存在下での生育に改善が認められ、細胞の形態に異常は見られず、たてに螺旋を巻いて通常の細胞糸をつくりながら成長していることが確認された。さらに、スピルリナの光量(60・100・140・180uE/sec/m^2)と温度(18・24・30・36℃)培養条件に対する野生株の増殖応答を調べたところ、いずれの温度区においても光量が多いほど増殖が速いこと、また総じて増殖は36℃で最も速く、これに30℃がほぼ追随していることが明らかとなった。しかし36℃区の多くでまた18℃区で、細胞の褐色化が観察された。 以上、CAT遺伝子を組み込んむプラスミドの導入実験におけるクロラムフェニコール耐性株の一過的発現から、エレクトロポレーション法による外来遺伝子の導入は有効であると判断された。またスピルリナ野生株の増殖応答実験から、30℃〜36℃の温度が増殖に適し、光量は多いほど生育は活発であることが判明した。
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