東南アジア大陸部農業資源の評価

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09460152
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 縄田 栄治 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30144348)
• 研究分担者: 河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (80183804) ; 堀江 武 京都大学, 農学研究科, 教授 (90181528) ; 桜谷 哲夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (00260612)
• キーワード: 東南アジア大陸部 / 紅河デルタ / 東北タイ / 農業資源 / 収量モデル / 水収支 / 資源利用効率

研究概要

東南アジア大陸部、特に東北タイとベトナム紅河デルタの農業資源を評価するため、海外での実験・調査により実施された結果の供与を受け、さらに種々の統計資料を用いて国内で分析を行うと同時に、国内実験の結果と比較検討した。
両地域の生産力評価を目的とした稲作シミュレーションモデル構築のための実験を行った。紅河デルタ主要12品種を用いて発育予測モデルSIMRIWのパラメータを推定した。しかしながら、移植時の生育遅延に及ぼす気温の影響と思われる変動因のため、信頼性の高いパラメータの推定ができなかった。そのため、移植時の生育遅延をサブモデルとして、繰り入れるため、実験を行うこととした。また、東北タイの畑作生産力評価を目的としたトウモロコシの収量モデル構築のための実験を行った。CSSPが収量予測に効果的であることが示された。
生産力評価モデル入力パラメータとして利用するために、東北タイ気象データベースを構築した。タイ国気象局から気象データの供与を受け、1998から1997年の降雨量・平均気温・日射量のメッシュ(北緯14〜19度、東経100〜106度、メッシュサイズ3分)地図を作成した。降雨量は選定した113の降雨ステーションの日降雨量を用い、最近傍ステーションの降雨値を当該メッシュ降雨値とした。平均気温は、東北タイ16ステーション及び北部・中部の12ステーションの気温を用い、最近傍値に標高補正を行いメッシュ気温値とした。日射量は東北タイ6ステーションと北部・中部の2ステーションの日照時間から日射量を推定し、最近傍値をメッシュ日射量とした。作成した気象データベースを用い、東北タイにおけるイネ及びサトウキビの潜在収量及び達成可能収量を推定した。

研究成果

• [文献書誌] 渡邊恒太・縄田栄治・河野泰之・富田晋介・桜谷哲夫・C.Noichana・A.Sributta: "東北タイにおける主要3作物の作付分布要因" 熱帯農業. 42・別1. 35-36 (1998)
• [文献書誌] 富田晋介・稲村達也・河野泰之・縄田栄治・櫻谷哲夫・C.Noichana・A.Sributta: "東北タイ天水田における雑草分布-作付方法の観点から-" 熱帯農業. 42・別1. 37-38 (1998)
• [文献書誌] 宮川修一・河野泰之・富田晋介・Chairat Noichana・Akkadet Sributta: "東北タイにおける天水田稲作の収量成立と環境条件との関係" 熱帯農業. 42・別2. 3-4 (1998)
• [文献書誌] 渡邊恒太・縄田栄治・櫻谷哲夫・河野泰之・Chairat Noichana・Akkadet Sributta: "東北タイにおけるサトウキビの生育と畑地の土壌水分動態" 熱帯農業. 42・別2. 5-6 (1998)
• [文献書誌] 小寺昭彦・縄田栄治・L.V.Thao・L.Q.Doanh・桜谷哲夫: "ベトナム水稲の収量に冠水が及ぼす影響" 熱帯農業. 43・別1. 9-10 (1999)
• [文献書誌] S.Miyagawa, Y.Kono, Y.Nagata, E.Nawata: "World Food Security and Crop Production Technologies for Tomorrow" Technical changes in rainfed rice cultivation in Northeast Thailand, 169-172 (1998)
• [文献書誌] M.Ohnishi, T.Horie, K.Homma, H.Takano, T.Inamura, C.Thongthai, Supapoj: "World Food Security and Crop Production Technologies for Tomorrow" Modeling and evaluation of productivity of rainfed rice Northeast Thailand., 173-176 (1998)