研究課題/領域番号 |
09470001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
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研究分担者 |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
大和田 祐二 東北大学, 医学部, 助手 (20292211)
阪上 洋行 東北大学, 医学部, 助教授 (90261528)
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キーワード | PI-3 kinase / PA.phosphatase / synaptojanin / CDP-DG synthase / 脳内遺伝子発現局在 / phospholipase.D |
研究概要 |
phosphoinositide(PI)3-kinaseには基質特異性からI,II,III型があり、そのII型で成体肝臓に特異的に発現する新たな分子種(PI3K-Hγ)のcDNAcloningに成功した。この分子種は1505アミノ酸からなり、C2ドメインを持分子構造であった。ノーザンブロット解析では肝臓切除後に発現が増強する特徴を示し、肝臓再生過程に深く関与することが示唆された。それゆえに欧米の多くの研究室からこのcDNAの供与の申し込みがありそれに応じたので、今後の国際共同研究の道が開けよう。我々がその分子構造の全貌を明らかにしてきたdiacylglycerol kinaseについては、この酵素の関与する反応を逆方向に触媒するphosphatidate(PA)phosphataseの特異な脳内発現局在(脳室胚芽層)を明らかにした。さらに、PI3Kに連動して作動するPI5-phophataseのうちでsynaptojan inの脳内遺伝子発現局在を精査し、その1型はニューロンにだけ、2型は加えてオリゴデンドログリアに局在することを明らかにした。近年cDNA cloningにより分子構造が明らかにされた phospholipase Dについてはその脳内遺伝子発現局在について目下精査中である。我々が脊椎動物で初めて分子同定・発表したCDP-diacylglycerol(DG)synthaseについては、PI代謝経路でその次の反応を触媒するphosphatidylinositol synthase(他者が同定発表)との脳内遺伝子発現局在の詳細な比較解析を発表し、CDP-DGsynthaseの新たな分子種の存在を推測した。以上の新知見により、その幾つかの分子種について分子・細胞生物学的に膜輸送に関与する機構について解析する基盤が整った。
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