研究概要 |
骨格筋の横行小管に存在するL型Ca^<2+>チャネル(電位センサー)から細胞内Ca^<2+>ストアにあるリアノジン受容体(Ca^<2+>遊離チャネル)への情報伝達に関する分子機序の解明は活動電位が細胞内に伝えられる機構を知る上で、必須であるが未だ十分には理解されていない。この点を解明するために、本年度以下の実験を行った。 1. Skinned fiberによる実験:昨年ラット筋繊維を用い、T管を破壊することなく、skinned fiberを作成し、T管の化学的脱分極により筋小胞体からのCa^<2+>遊離を起こすことに一度成功した。この方法を確実にマスターするため、ひらめ筋で繰り返した。少なくとも50%以上の成功率でないと次の実験に進めない。しかし、現段階では10〜20%の成功率であり、更なる改善を試みている。 2. 精製蛋白質のplanar hipid bilayerへの組み込み実験:我々は従来生体膜に組み込まれた状態のチャネルを人工的に精製したlipid bilayerに組み込み、チャネル電流をパッチクランプ用増幅器(Axopatch 1D)で増幅、観察してきた。この方法を精製チャネル蛋白質に応用する方法を開発した500/50mM KCl(cis/trans),20mM HEPES-Tris緩衝液を用い、上の装置を用い、精製リアノジン受容体蛋白質の人工膜への組み込みとチャネル電流の測定に成功した。
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