研究課題/領域番号 |
09470015
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
佐々木 和男 富山大学, 工学部, 教授 (60042826)
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研究分担者 |
塚田 章 富山大学, 工学部, 助手 (40236849)
川原田 淳 富山大学, 工学部, 助教授 (80195164)
磯部 正治 富山大学, 工学部, 助教授 (70211050)
大村 裕 日本臓器製薬(株), 生物活性研, 常勤顧問 (30019517)
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キーワード | 線維芽細胞増殖因子 / 学習・記憶 / 老化促進モデルマウス / 免疫 / アドレナリン / マクロファージ |
研究概要 |
平成10年度の研究における研究実績は以下のとおりである。 1.老化促進モデルマウス(SAMP8)における酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)フラグメントの学習・記憶促進機構:SAMR1及びSAMP8に生後21目からaFGFのフラグメント[Ala^<16>]aFGF(1-29)を10ヵ月間にわたり投与し、3、6、9ヵ月目で受動的回避学習により、また10ヵ月目にモリス水迷路学習でSAMP8及びSAMR1の学習・記憶能力を調べたところ、aFGFフラグメント投与群ではSAMP8における学習・記憶能力の低下が有意に阻止されることが明らかになった。2.副腎髄質系に対するaFGFの作用:aFGFを末梢あるいは脳室内に投与したところ、血漿中のアドレナリンレベルは120分以内で用量依存性に増大した。抗CRF抗体を脳室内に前処置しておくと、この増加は消失した。したがって、これまでの研究から推測されるようにaFGFは室傍核ニューロンに作用してCRFを遊離させ、これを介して副腎髄質に作用し、血漿中アドレナリンレベルを上昇することが明らかになった。3.免疫系に対するaFGFフラグメントの作用:マクロファージの貪食能に対するaFGFフラグメントの効果をフローサイトメトリにより調べた。その結果、aFGF(1-15)は無効であるが、aFGF(1-29)、aFGF(9-29)、aFGF(1-20)はマクロファージの貪食能をこの順で有意かつ用量依存性に活性化することが判明した。また、このaFGF(1-29)の効果がマンノースレセプタを介することも明らかになった。4.摂食調節物質による学習・記憶促進機構:脂肪細胞から遊離されるレプチンの受動的回避学習及びモリスの水迷路学習に対する作用を検討したところ、レプチンはこれらの学習課題で学習・記憶を有意に促進することが明らかになった。
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