研究概要 |
ウサギ肝臓よりmRNAを抽出し,cDNAを作製した。そして,このcDNAからプラークハイブリダイゼ-シヨン法を用いてスクリーニングを行い,二つのα_1アドレナリン受容体クローンを得た。 一つは1731の塩基対からなり567ヶのアミノ酸をコードするタンパクで,もう一つは1398の塩基対で466ヶのアミノ酸をコードしていた。ホモロジー検索の結果,前者はα_<1d>サブタイプ,後者はα_<1a>サブタイプに高い相同性を示した。COS-7細胞にトランスフェクションし,薬理学的特性を調べたところ,前者はα_<1d>サブタイプに特異的なBMY7378に高親和性を,後者はα_<1a>選択的薬物(oxymetazolineやYM617)に高親和性を示した。ウサギにおいてmRNAレベルの組織分布を調べたところ,前者は胸部大動脈,大脳皮質,輸精管,前立腺に,後者は肝臓,脳幹,視床,輸精管に多く存在した。 以上,今年度の研究において,ウサギのα_<1a>およびα_<1d>アドレナリン受容体サブタイプの構造と薬理学的特性を明らかにした。しかし,両サブタイプはprazosinに高親和性を示したので,目的のα_<1L>サブタイプとは考えられなかった。更にスクリーニングを進め,新しいサブタイプを探究する予定である。
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