研究課題/領域番号 |
09470026
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
岡 哲雄 東海大学, 医学部, 教授 (40055976)
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研究分担者 |
小林 広幸 東海大学, 医学部, 講師 (60195807)
吉川 正信 東海大学, 医学部, 助手 (90276791)
橋本 篤司 東海大学, 医学部, 講師 (80271592)
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キーワード | Gタンパク質 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / G_<iα1> / G_<iα2> / G_<iα3> / G_<0α> / G_<sα> / モルヒネ鎮痛 |
研究概要 |
5種のGタンパク質αサブユニットに対するホスホロチオエ-ト化したアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(AS-ODN)を、ラットの脳のperiaqueductal gray(PAG)に、1回10μg、48時間毎に3回投与し、最終投与24時間後に、モルヒネの鎮痛効果を測定後に断頭し、PAGのG_<iα1>、G_<iα2>、G_<iα3>、G_<0α>、およびG_<sα>、などのmRNA量をRT-PCR法で測定するとともに、5種のGタンパク質αサブユニット量をウェスタンブロット法で測定した。その結果、G_<iα1>のAS-ODNではG_<iα1>のmRNA量の著しい減少、G_<0α>mRNAのわずかな減少が認められたが、その他のGタンパク質αサブユニットのmRNA量に変化は認められなかった。なお、センスODNでは、どのmRNA量にも変化は認められなかった。しかし、G_<iα1>のAS-ODNでわずかではあるがG_<0α>のmRNA量の減少が認められたので、より特異性を高める目的でAS-ODN の塩基配列について再検討した。その結果、3'末端側のG_<iα1>とG_<0α>に共通な5塩基を除いた17塩基のAS-ODNを用いると、G_<iα1>のmRNAのみが著しく減少し、他の4種のGタンパク質αサブユニットのmRNA量は変化しないことが明らかにされた。また、このAS-ODNの高い特異性はウェスタンブロット法でも確認された。そこで、このAS-ODNのモルヒネの鎮痛作用に及ぼす影響について検討した。その結果、改良したG_<iα1>のAS-ODNにより、モルヒネの鎮痛作用は減弱されることが明らかにされた。つまり、モルヒネの鎮痛効果発現には、G_<iα1>が関与していることが示唆された。しかし、G_<iα1>以外のAS-ODNでは、特異性がやや低く、標的タンパク質mRNA以外もわずかに減少させるので、現在、投与量、投与方法、AS-ODNの塩基配列などについて検討している。
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