研究分担者 |
大谷 ひとみ 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140272)
原 満良 関西医科大学, 医学部, 講師 (50192282)
大森 京子 関西医科大学, 医学部, 助教授 (90152256)
北川 香織 関西医科大学, 医学部, 助手 (10165813)
服部 尚樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (80288828)
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研究概要 |
1、神経細胞内Clの最初期遺伝子発現に対する効果 中枢神経細胞のClポンプを阻害して細胞内Cl濃度を上昇させるエタクリン酸のマウス脳室内投与は強直性けいれんを惹起し、最初期遺伝子c-fosは60分と10-14日にピークをもつ二相性の上昇を示した。c-fos発現に一致した神経成長因子の発現、海馬領域でのGABA性神経の機能的低下および易けいれん性の成立が確認された。中枢神経の細胞内Cl濃度上昇を契機としてc-fos, NGFの発現およびGABA性神経機能の低下が持続的な興奮性閾値の低下を生じることが示された。 2、アンモニア誘発神経細胞内Cl濃度上昇の機構 肝性脳症の一因であるとされるアンモニアは、脳症発症濃度の持続的(48時間)暴露により初代培養ラット脳海馬錐体神経細胞の細胞内Cl濃度を正常値(8.2±0.6mM)から約3倍に上昇させた。このCl濃度上昇はプロテインキナーゼCの活性化を介した脳型アニオン交換体(AE3)の発現促進によるものであった。低濃度アンモニアの神経細胞内Cl濃度上昇を介する中枢神経抑制性制御の減弱を直接証明した。 3、低酸素/再酸素負荷時心筋傷害におけるCl輸送制御の効果 単離心筋細胞の低酸素/再酸素負荷による細胞内pHと細胞内Ca^<2+>濃度の変化は、細胞外液のClまたはHCO_3の除去およびアニオン(Cl/HCO_3)交換体阻害薬(SITS,DIDS)の投与により有意に減弱し、この効果は一部プロテインキナーゼC活性化を介することが示された。心筋の低酸素時のpH低下にはアニオン(Cl/HCO_3)交換体の活性化が関与していることが初めて明らかになった。 4、中枢神経Clポンプのサブユニット/遺伝子構造 ラット脳のClポンプを520kDa蛋白として単離し、SDS-PAGE上4種のサブユニット(51kDa,55kDa,60kDa,62kDa)から成り、51kDa蛋白はATPによりリン酸化中間体を形成する触媒サブユニットであることが明らかになった。55kDa蛋白のN末端アミノ酸配列をもとにラット脳cDNAライブラリーから4.2kb cDNAをクローン化し、55kDa新規蛋白の一次構造を明らかにした。
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