研究課題/領域番号 |
09470035
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
横山 信治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10142192)
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研究分担者 |
辻田 麻紀 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10253262)
堂前 純子 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (70227700)
伊藤 仁一 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (60167260)
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キーワード | コレステロール / リポタンパク質 / 動脈硬化 |
研究概要 |
末梢細胞表面とアポリポ蛋白質の相互作用により細胞燐脂質とコレステロールからHDL粒子が新生する。HDL低下をきたす薬剤プロブコールは、培養細胞レベルでこの反応を阻害し、これはアポリポ蛋白質と細胞の結合を阻止するためであることが示された。この結果は、プロブコールがHDL欠損症であるタンジ-ル病と同じ病態を引き起こすことを示しており、アポリポ蛋白質による末梢細胞からのHDL新生が、血漿HDLの主要な生成源であることを強く示唆している。この点を動物モデルで確認し、またHDL新生反応が細胞からのコレステロール搬出に生体内でどれ程の役割を果たすのかを調べるため、以下の実験を行いつつある。マウスにプロブコールを3週間投与すると、投与3〜5日で血漿HDLは著名に低下するが、血漿CETP活性は殆ど検出できないままである。この時腹腔マクロファージを採取のアポリポ蛋白質に対する反応性は低下している。しかし、マウスに肉眼上目立った変化は認められない。この反応の生体内での意義を確かめるため、非特異的なコレステロール搬出が障害すると考えられるLCATノックアウトマウスを米国より入手し、繁殖に成功した。第二年度はこのマウスを用い、アポリポ蛋白質による特異的コレステロール搬出をプロブコールによって阻害する影響を観察する。
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