研究課題/領域番号 |
09470035
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
横山 信治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10142192)
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研究分担者 |
辻田 麻紀 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10253262)
堂前 純子 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (70227700)
伊藤 仁一 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (60167260)
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キーワード | 細胞 / 脂質 / コレステロール / リポタンパク質 / アポリポタンパク質 |
研究概要 |
細胞コレステロールの搬出機序には、その物理化学的拡散とアポリポ蛋白質と細胞の特異的相互作用によるHDL新生の二つがあることが分かってきた。後者に重点を置いた本研究の成果は次のようにまとめられる。1)細胞表面のアポリポ蛋白質結合部位の発現の制御を、マウス単球白血病細胞RAW264を用いて検討した。この細胞はcAMP刺激により初めてアポA-lによる細胞脂質からのHDL粒子の新生反応が誘導され、これはDNA転写阻害剤や蛋白質合成及び分泌阻害剤などにより抑制を受け、膜蛋白質の関与が示唆された。2)アポリポ蛋白質によるHDL新生反応にリンクした特異的細胞内コレステロール輸送系の発現・制御を、ヒト単球白血病細胞THP1を用いて調べた。PMA刺激以前の未分化状態の細胞からは、アポリポ蛋白質は燐脂質からHDLをつくるが、これにはコレステロールは殆ど含まれない。PMAによる分化後、燐脂質の引き出しは20%程度の増加しか見られないのに比して、コレステロールの引き出しは20倍以上となり、HDL中のコレステロール・燐脂質比は1:1以上に増加する。従って、この系はHDL新生反応に対する細胞内コレステロールの特異的積み込み系の発現のモデルとなり、分化により発現する蛋白質の検索からこの運搬系の研究が可能となった。
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