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1999 年度 実績報告書

エリスロポエチン受容体を介する増殖および分化シグナルの解明

研究課題

研究課題/領域番号 09470036
研究機関久留米大学

研究代表者

吉村 昭彦  久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (90182815)

研究分担者 安川 秀雄  久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (60289361)
大坪 素秋  久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10211799)
キーワードチロシンキナーゼ / JAK / STAT / CIS / ノックアウトマウス / サイトカイン / エリスポエチン / 胎児造血
研究概要

赤血球造血の制御機構を解明するために我々は造血幹細胞に特異的に発現する遺伝子の解析を行った。まず骨髄細胞をセルソーターにて造血幹細胞を分画し、この細胞集団からPCR増幅を経てcDNAライブラリーを作成した。これを酵母two-hybrid用のベクターに組み込み、c-kitをbaitとしたスクリーニングを行った。その結果STAP-1と呼ぶ新規遺伝子をクローニングした。この遺伝子はPleckstrin homology(PH)ドメイン,Src homology2(SH2)ドメインを有するアダプター分子でc-kitによってチロシンりん酸化された。RT-PCRの結果、STAP-1の発現はc-kitを有する骨髄細胞に限局することが明かとなった。また最も高い発現はCD34low/-Sca-1+c-kit+Lin-の幹細胞分画に得られた。現在生化学的な解析を行っている。
次にエリスポエチン受容体からのシグナルを制御する分子として、我々がクローニングしたCIS3の機能解析を行った。CIS3は胎児肝臓の赤芽球前駆細胞に強く発現していた。生理機能を明かにするためにノックアウトマウスを作成した。CIS3-/-ノックアウアトは胎性致死であり、受精後12日以前は野生型と大きな形態の差はないが12.5-15日胚では全身での出血が見られた。また特に肝臓では構造が崩れており有核の胎児型赤血球で充満していた。胎児肝細胞をEPO存在下で培養すると野生型マウスにくらべてはるかに大きなBFU-E(前期赤芽球前駆細胞)コロニーが形成された。また赤芽球前駆細胞においてCIS3とJAK2の会合が確かめられた。したがってCIS3は胎児造血幹細胞においてEPO/JAK2シグナルを負に調節する因子であることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ward AC,et al.: "The jak-stat pathway in normal and perturbed hematopoiesis."Blood. 95・1. 19-29 (2000)

  • [文献書誌] Marine JC,et al.: "SOCS1 Deficiency Causes a Lymphocyte-Dependent Perinatal Lethality."Cell. 98・5. 609-616 (1999)

  • [文献書誌] Marine JC,et al.: "SOCS3 Is Essential in the Regulation of Fetal Liver Erythropoiesis."Cell. 98・5. 617-627 (1999)

  • [文献書誌] Yokouchi M,et al.: "Ligand-induced Ubiquitinaiton of the EGF Receptor Involves the Interaction of the c-Cb1 RING Finger and UbcH7."J.Biol.Chem.. 274・44. 31707-31712 (1999)

  • [文献書誌] Matsumoto A,et al.: "Suppression of STAT5 Functions in Liver,Mammary Glands,and T Cells in Cytokine-Inducible SH2-Containing Protein 1 Transgenic Mice."Mol.Cell.Biol.. 19・9. 6396-6407 (1999)

  • [文献書誌] Yasukawa H,et al.: "The JAK-Binding Protein JAB Inhibits Janus Tyrosine Kinase Activity Through Binding in the Activation Loop."EMBO J.. 18・5. 1309-1320 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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