研究概要 |
Hoxa7,Hoxa9,Meis-1の3種類の遺伝子の骨髄細胞株32DのG-CSF刺激による分化に際しての発現を調べると、Hoxa7とHoxa9は分化前から発現が認められないのに対して、Meis-1は分化とともにその発現がdown regulateしていることがわかった。Hoxa7,Hoxa9,Meis-1,NUP98/HOXA9の4種類の遺伝子のcDNAをexpression vectorに組み込み、骨髄細胞株32D内で発現させると、顆粒球への分化を著しく阻害することが判明した。 骨髄細胞に特異的に発現する遺伝子であるカテプシンGのプロモーターをHoxa7,Hoxa9,Meis-1,NUP98/HOXA9の4種類の遺伝子の上流に連結したconstructsをマウスに導入した。これらのトランスジェニックマウスでは、骨髄細胞に限局したtransgeneの発現が認められた。この4種類のマウスの内NUP98/HOXA9では、少数の動物が骨髄性白血病に罹患し、白血病細胞においてもtransgeneの強い発現が認められた。 人間のAMLで発見されたNUP98/HOXA9のキメラ蛋白をGFP融合蛋白の形でCos7細胞に発現させて、その局在を検討した。NUP98は、核膜に存在するnuclear pore complex(NPC)の構成成分で、蛋白質の細胞質から核への輸送に関与しているが、キメラ蛋白はNPCにではなく核質内に存在することが明らかとなった。 Meis-1のDNA binding siteを同定し、MeisとPbxがcooperative bindingを示すことが明らかとなった。
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