研究課題/領域番号 |
09470045
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹重 公一朗 九州大学, 医学部, 教授 (10037450)
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研究分担者 |
栗林 太 九州大学, 医学部, 助手 (60251443)
住本 英樹 九州大学, 医学部, 助教授 (30179303)
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キーワード | 好中球 / NADPHオキシダーゼ / 活性酸素 / 食細胞 / SH3ドメイン |
研究概要 |
生体防御に重要な役割を果たす食細胞のNADPHオキシダーゼは、シトクロムb_<558>を含むヒト好中球の膜画分と、3つの細胞質タンパク質(各々2つのSH3ドメインを保持するp47^<Phox>とp67^<Phox>および低分子量GTP結合タンパク質)からなる無細胞系において、アラキドン酸などの陰イオン性両親媒物質の刺激により活性化されてスーパーオキシドを生成する。本年度は、カルボキシ末端領域を欠失したp47^<Phox>の変異体(アミノ末端側領域と2つのSH3ドメインのみをもつ)と、アミノ末端側領域のみをもつp67^<Phox>の変異体を同時に用いたin vitro系において、陰イオン性両親媒性物質非依存性に本酵素が活性化されることを見出した。この陰イオン性両親媒性物質非依存性の活性化は、p47^<Phox>もしくはp67^<Phox>のいずれか一方が全長型であると認められなかった。これらの結果から、陰イオン性両親媒性物質は、p47^<Phox>およびp67^<Phox>の両方を主要な標的としており、また、p47^<Phox>とp67^<Phox>のカルボキシル末端側領域はともにNADPHオキシダーゼの活性化に抑制的に働いていると考えられた。さらに、上記のp47^<Phox>欠失変異体は、非刺激状態でもp22^<Phox>と結合可能であったのに村し、全長型のp47^<Phox>は非刺激状態ではp22^<Phox>と結合しなかった。このように、活性型p47^<Phox>においては、SH3ドメインが標的分子と結合可能な状態にあるが、休止型のp47^<Phox>では、恐らくは自身のカルボキシル末端側領域と自己分子内結合してSH3ドメインが被覆されていると考えられた。 さらに、常にp67^<Phox>と結合しているp40^<Phox>のマウスcDNAをクローニングし、そのmRNAの組織分布を検討した。その結果、アダプタータンパク質のp40^<Phox>は、p67^<Phox>やp47^<Phox>の発現していない細胞においても発現しており、他のタンパク質と相互作用して未知の役割を果たしている可能性が示唆された。
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