研究課題/領域番号 |
09470051
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
赤木 忠厚 岡山大学, 医学部, 教授 (20136386)
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研究分担者 |
岡 剛史 岡山大学, 医学部, 助手 (50160651)
吉野 正 岡山大学, 医学部, 助手 (70183704)
林 一彦 岡山大学, 医学部, 講師 (30180962)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / Epstein-Barrウイルス / 動物モデル / p53 / ヘルペスウイルス / LMP1 / リンパ節炎 |
研究概要 |
1.非腫瘍性リンパ節病変におけるEBウイルス(EBV)感染の動態について検索し、伝染性単核球症以外ではネコひっかき病の病変局所に高率にEBV感染細胞が存在することを明らかにした。また、非ホジキンリンパ腫におけるp53蛋白の発現を検索し、p53蛋白が202例中59例において過剰発現していることを明らかにした。しかし、SSCPでmobility shiftを証明したものはわずかに4例、うち3例でしか点突然変異は証明されなかった。さらにEBV感染とp53発現との間には関連性が証明されなかった。 2.サルEBV関連ヘルペスウイルス(Si-IIA由来)は、静注だけでなくより自然な感染経路である経口感染でも、家兎に高率に悪性リンパ腫を発生させることを発見し、この系がヒトにおけるEBV発癌の良い実験モデルとなることを明らかにした。同様の家兎悪性リンパ腫の誘発に、別のサルBリンパ芽球株(Ts-B6)由来のEBV関連ヘルペスウイルスでも成功した。我々が見出したウイルスは、ゲノム感析の結果Herpesvirus Macaca fascicularisに極めて類似していたが、ヒトEBVとはIR1領域で82%の相同性にとどまった。 3.USAとブラジルのホジキン病、反応性リンパ組織におけるEBV LMP1遺伝子の欠損の頻度ならびにEBVのタイピングを行った。LMP1 30bpの欠損がUSAとブラジルの症例の両者に高率に証明された。反応性リンパ組織とEBV陰性のホジキン病にも高頻度の欠損が認められ、この欠損はホジキン病の病態には直接関連していないことが示唆された。
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