研究課題/領域番号 |
09470051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
赤木 忠厚 岡山大学, 医学部, 教授 (20136386)
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研究分担者 |
岡 剛史 岡山大学, 医学部, 助手 (50160651)
吉野 正 岡山大学, 医学部, 講師 (70183704)
林 一彦 岡山大学, 医学部, 助教授 (30180962)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | Epstein-Barrウイルス / 悪性リンパ腫 / リンパ球 / 動物モデル / ウイルス発癌 / ヘルペスウイルス |
研究概要 |
1.ヒト悪性リンパ腫とEBV感染:(1)非腫瘍性リンパ節病変ではネコひっかき病の病変局所に高率にEBV感染細胞が存在することを明らかにした。(2)EBVが腫瘍細胞の50%以上に感染していたのは、B細胞性リンパ腫の2.5%、T細胞性リンパ腫の2%であったが、混在する非腫瘍性リンパ球に感染しているものまで含めると、B細胞性17.8%、T細胞性31%であった。(3)EBV陽性のNK細胞リンパ腫/白血病の症例から、NK細胞株を樹立した。(4)日本、米国、ブラジルのホジキン病の症例と反応性リンパ節にはEBV LMP1遺伝子の欠損が高率に認められた。(5)ヒトマントル細胞リンパ腫細胞株であるSP-53にネオマイシン耐性遺伝子を導入したEBVを感染させ、その性状を解析した。感染細胞では増殖活性は抑制されていたが、アポトーシスに対しては抵抗性を獲得していることを見出した。 2.ヒトEBV発癌の実験モデル(サルEBV関連ヘルペスウイルスによる家兎悪性リンパ腫の発生):サルEBV関連ヘルペスウイルス(Si-IIA由来)が静注により家兎に悪性リンパ腫を発症させることを発見して以来、Cyno-EBVなど他のサル由来EBV関連ヘルペスでも同様に家兎に悪性リンパ腫を発症させること、さらに静注だけでなく経口感染でも家兎に悪性リンパ腫を発症させることを明らかにした。次いで、これらサル由来EBV関連ヘルペスウイルス間及びヒトEBVとの間のゲノムの相同性を、IR1及びEBNA-1領域で検討した。Si-IIA由来ウイルスは他のサル由来EBV関連へルペスウイルスと高い相同性を示しているが、ヒトEBVとはIR1領域で82%、EBNA-1領域で53%の相同性にとどまった。 3.EBVのヒト上咽頭痛細胞への感染:EBVをEBV(-)のヒト上咽頭癌細胞に感染させたところ、感染細胞はin vitroでの浸潤能とヌードマウスヘの造腫瘍能が亢進した。
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