研究課題/領域番号 |
09470062
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 雅英 名古屋大学, 医学部, 教授 (40183446)
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研究分担者 |
中島 泉 名古屋大学, 医学部, 教授 (40022826)
岩下 寿秀 名古屋大学, 医学部, 助手 (00283432)
浅井 直也 名古屋大学, 医学部, 助手 (80273233)
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キーワード | トランスジェニックマウス / 癌転移 / ret遺伝子 / 悪性黒色腫 / MMP-9 |
研究概要 |
われわれは遺伝子再構成により活性化されたretがん遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作製し、メラニン産生細胞の増殖を生じる3系統を確立している。興味あることにこのうち1系統のマウスでは加齢とともに増殖した細胞が徐々に悪性化し、最終的に悪性黒色腫となり他の臓器に転移するようになる。本研究ではこのトランスジェニックマウスに発生するメラノサイト腫瘍の悪性化に伴って、変化する蛋白の異常を検索した。 まずトランスジェニックマウスに発生した良性腫瘍と悪性腫瘍の細胞抽出物を用いて、ret蛋白の発現とチロシン燐酸化レベルを比較した結果、ともに著しい上昇がみられた。ret蛋白の発現の上昇に伴いmitogen-activated protein kinase (MAPK)やc-junの活性化が悪性腫瘍で検出された。同様にゼラチンザイモグラフィーを用いて良性腫瘍と悪性腫瘍におけるmatrix metalloproteinase (MMP)-9の活性を比較したところ、悪性腫瘍において著しくその活性が上昇していることが明かになった。MMP-2についてもMMP-9と比較するとかなり弱いものの活性の上昇が観察された。 retがん遺伝子導入トランスジェニックマウスにおいて発生した腫瘍の悪性化に伴いret蛋白自身の発現の上昇が見られ、さらにMARKやc-junさらにMMP-9の活性化が生じていた。この結果はこれらの活性化がいずれもret蛋白によって制御されていることを示唆した。さらにMMP-9の活性化はトランスジェニックマウスに発生した悪性黒色腫の転移能と相関している可能性が考えられる。
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