研究概要 |
腸管出血性大腸菌O157:H7からVT1とVT2をNodaらの方法((1)Noda.M.et a1.Purification of Shiga-like toxin from Escherichia coli O157:H7.Proceeding of 20th Joint Conference of US-Japan Cooperative medical Science Program,Cho1era Panel,P.67.1984.(2)Noda,M.etal.P11rification and some properties of Shiga-like toxin from Escherichia coli O157:H7 that is immunologically identical to Shiga toxin.Microb.Pathogenesis 2:339-349,1997.(3)Takeda,Y.et a1.Vero toxins (Shiga-like toxins)produced by Escherichia coli O157:H7.Bacterial Protein Toxins(Fehrenbach,F.J.et a1.eds)PP.367-374,1988,Gustav Fischer Verlag,Stuttgart)により精製した。VT1は菌体から、VT2は培養上清から精製た。 精製したVT1とVT2はそれぞれ0.02〜2.0ng/mlでベロ細胞に対して濃度依存的に致死活性を示し、高純度で高活性のVTを得ることに成功した。これを用いて以下の実験を行なった。 精製VTのベロ毒性を抑制するサイトゾール由来の因子は現在精製を継続中である。これと並行して植物由来の物質の抗VT活性のスクリーニングを行なった。実験方法はVT1の最終濃度が25ng/mlとなるように比較的高濃度のトキシンを1x10^4個のベロ細胞に作用させ、ベロ細胞の致死率が100%となるような実験系を作った。この実験系に各種植物の熱水抽出画分を添加してベロ細胞の致年率がどれだけ低下するかで抗VT活性をスクリーニングした。その結果、大黄と桂皮由来の熱水抽出画分に抗VT活性を認めた。現在、この画分の精製を進めており、抗VT活性の本体を明らかにする予定である。
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