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1998 年度 実績報告書

細胞性感染防御免疫誘導に必須は細胞内寄生性細菌の抗原外因子の同定とその機構

研究課題

研究課題/領域番号 09470075
研究機関京都大学

研究代表者

光山 正雄  京都大学, 医学研究科, 教授 (10117260)

研究分担者 河村 伊久雄  京都大学, 医学研究科, 助手 (20214695)
キーワード細胞内寄生性細菌 / 感染防御免疫 / サイトカイン / インターフェロンγ / リステリア / リステリオリシン / 抗酸菌 / マクロファージ
研究概要

マクロファージの細胞内殺菌をエスケープして増殖する細胞内寄生性細菌による感染でみられる宿主細胞性免疫応答の誘導機構につき、とくにサイト力イン応答を惹起する抗原外因子を中心に解析してきた。リステリアのLLO(58kDaタンパク)が宿主IFN-γ産生誘導に最も重要な因子であることが明らかになったので、溶血素としても知られるこのタンパクの活性部位を特定するために、PCRを用いたりコンビナント標品を各種作成した。C末端を順次欠失させると、このファミリーの溶血素に保存されているECTGLAWEWWRの配列が溶血活性発現には重要であるが、マクロファージからのモノ力イン産生とNK細胞からの最終的なIFN-γ産生誘導には影響がなかった。一方N末端は50ヶのアミノ酸を欠失させると、溶血活性は示すがサイトカイン誘導活性は完全に消失した。また、溶血活性はコレステロール処理で失活するがサイトカイン誘導活性はむしろ著明となった。これらの結果から、この因子の溶血素活性(毒素活性)とサイト力イン誘導活性は同じポリペプチド中の異なった部位が重要であることが示唆された。この成績をもとにアミノ酸置換による詳細な特定を進行させている。またフルサイズのLLOをリポソームに封入して用いることにより、単独では感染防御免疫の誘導が困難なBCG死菌による再感染抵抗性THl細胞の誘導がマウスでは可能となった。抗酸菌については、そのマクロファージ内エスケープ因子と宿主サイト力イン誘導因子の検索に必要な、変異株作成法とスクリーニング法をほぼ確立したので、新年度にはその解析が進行する予定である、

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ohya,S., Xiong,H., Tanabe,Y., Arakawa,M.& Mitsuyama,M.: "Killing mechanism of Listeria monocytogenes in activated macrophages as determined by an improved assay system." J.Med.Microbiol.47 (2). 211-215 (1998)

  • [文献書誌] Yoshimoto,T., Wang,C, Yoneto,T., Waki,S., Sunaga,S., Komagata,Y., Mitsuyama,M., Miyazaki,J.& Nariuchi,H: "Reduced Th1 responses in interleukin-12 p40 transgenic mice." J.Immunol.160. 588-594 (1998)

  • [文献書誌] Tachibana,T., Matsuyama,T.& Mitsuyama,M: "Characteristic infectivity of Sporothrix scehnkii to mice depending on routes of infection and inherent fungal pathogenicity." Medical Mycology. 36 (1). 21-27 (1998)

  • [文献書誌] Xiong,H., Ohya,S., Tanabe,Y.& Mitsuyama,M.: "Administration of killed bacteria together with listeriolysin O induces protective immunity against Listeria monocytogenes in mice." Immunology. 94 (1). 14-21 (1998)

  • [文献書誌] Ohya,S., Tanabe,Y., Makino,M., Nomura,T., Xiong,H., Arakawa,M.& Mitsuyama,M.: "The contributioin of reactive oxygen intermediates and reactive nitrogen intermediates to lsitericidal mechansims differ in macrophages activated pre- and postinfection." Infect Immuni. 66 (9). 4043-4049 (1998)

  • [文献書誌] Tanabe,Y., Xiong,H., Nomura,T., Arakawa,M.& Mitsuyama,M.: "Induction of protective T cells against Listeria monocytogenes in mice by immunization with a non-immunogenic strain of bacteria and liposome-encapsulated listeriolysin O." Infect Immun. 67 (2). 568-575 (1998)

  • [文献書誌] 光山正雄: "微生物学第7版(分担執筆)" 医学書院, 477 (1998)

  • [文献書誌] 光山正雄: "標準微生物学第7版(分担執筆)" 医学書院, 551 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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