研究課題/領域番号 |
09470075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 京都大学 (1998-1999) 新潟大学 (1997) |
研究代表者 |
光山 正雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (10117260)
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研究分担者 |
河村 伊久雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (20214695)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 細胞内寄生菌 / リステリア / 感染防御免疫 / リステリオリシン / マクロファージ / IL-12 / インターフェロンγ |
研究概要 |
リステリアに代表される細胞内寄生菌の抗原以外の因子で、感染宿主におけるT細胞依存性感染防御免疫の誘導に関与するものの同定と、それによる免疫誘導の機構を解析した。その結果次のような研究成果が得られた。 1.細胞内寄生菌に対するTH1細胞依存性防御免疫の誘導には内因性γインタフェロンの誘導が必須であり、マクロファージ由来のサイトカインとしてIL-12が重要な役割を果たす。 2.リステリアの抗原外因子であるLLOはサイトカイン発現の誘導活性が高く、リポソーム封入標品としてマウスに投与することにより、生菌株による免疫(感染)を受けたマウスと同様の内因性サイトカイン発現応答を誘導できる。 3.リポソーム封入LLOを一種のアジュバントとして併用することによって、単独では感染防御免疫誘導効果を示さない死菌体やLLO陰性の生菌株によっても、生菌免疫に劣らない強い細胞性防御免疫の誘導成立が可能となる。 4.TH1依存性の防御免疫の発現は主としてγインタフェロンによるマクロファージの活性化に基づく細胞内殺菌能の亢進に依存するが、その機序として、活性化と感染のタイミングの違いによって、活性酸素群が主体となる場合と窒素酸化物ラジカルが主体となる場合がある。 5.細胞内寄生性真菌と考えられるSporothrix schenkiiによる感染においても、同様の機構が作用するものと考えられた。 6.LLOの示すサイトカイン誘導活性は、マクロファージレベルではとくにIL-12とIL-18の誘導が重要であり、マクロファージ膜上の分子量約15,000のタンパクへの結合が関与するらしい。 7.LLOを構成する4つのドメインのうち、本来の膜傷害活性には第4ドメインが正常であることが必須であるが、サイトカイン誘導活性には第4ドメインは不必要ではないものの、1-3ドメインがより重要であるらしい。
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