研究課題/領域番号 |
09470079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
仲江 太治 東海大学, 医学部, 教授 (50102851)
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研究分担者 |
米山 裕 東海大学, 医学部, 講師 (10220774)
良原 栄策 東海大学, 医学部, 助教授 (70167063)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 薬剤耐性 / ポンプ / 排出 / 膜蛋白 / トポロジー / 輸送 / 緑膿菌 / 細胞膜 |
研究概要 |
緑膿菌の多剤交叉耐性の問題を解決すべく、薬剤排出ポンプ及びそれに関わる研究を行った。 (i)MexA、B-OprMポンプの各サブユニットの役割を明らかとすべく、遺伝子置換法によって各々のサブユニット遺伝子を壊した。その結果、変異菌は野生株に比べ約8倍ほど薬剤に高い感受性を示した。中でもOprM変異菌が最も感受性が高かった。 (ii)ポンプの機能を短時間に定量的に測定するための蛍光プローブの排出を測定する方法を開発した。蛍光プローブは野生株、nalB株では効率良く排出された為、細胞内蓄積がほとんど測定できなかったが、上に書いたポンプサブユニットを欠損した株では蛍光物質の細胞内蓄積が測定でき、それに要する時間は5-10分程度であった。 (iii)緑膿菌はMexA、B-OprMの他にMexC、D-OprJポンプの遺伝子を有する。そこでこれらのポンプサブユニットは相互に交換可能であるかどうかの実験を操作することによって行った。その結果、内膜成分であるMexA、BもしくはMexC、Dはそれらのサブユニットを取り替えることはできず、これらは機能単位として存在しなければポンプ機能が損なわれることが明らかとなった。一方、OprMとOprJは相互に置換可能であることが明らかとなり、雑種サブユニットから成るポンプが働いている可能性が示された。 (iv)ポンプの本体であるMexB蛋白の膜上トポロジーと明らかとすべく、C-末端をいろいろな長さに欠損したMexB遺伝子に、アルカリフォスファターゼ遺伝子を融合し、雑種蛋白を発現させた。その蛋白のアルカリフォスフォターゼ活性からMexBのトポロジーが明らかとなった。それによるとMexBは膜を12回貫通する型の輸送蛋白で、2つの大きなペリプラズムドメインを有することが明らかとなった。
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