研究課題/領域番号 |
09470094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
濱岡 利之 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60028529)
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研究分担者 |
小野 史郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80127208)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | Ia拘束性 / B細胞分化 / 多クローン性IgM産生 / B-B細胞間相互作用 / LPS / Ia欠損マウス / Igトランスジェニックマウス |
研究概要 |
我々は、1)PBA(polyclonal B cell activator)によるマウス休止B細胞のIgM抗体産生細胞への多クローン性分化過程に、自己I-A分子拘束性B-B細胞間相互作用が先行し、その結果として活性化されたB細胞にPBAが作用し抗体産生細胞への分化を誘導するという活性化経路が介在している事、2)X線照射混合骨髄キメラマウスを用いた実験や新生仔マウスへのアロB細胞の移入実験で、B細胞の示すI-A拘束特異性はB細胞成熟過程で遭遇するX線感受性の骨髄由来B細胞(educator cell)のMHCクラスII型により胸腺非依存性に後天的に決定される形質である事を示す実験結果を提示してきた。 本研究では、I-A拘束性B細胞の生成及び活性化機構を解析し、以下の実験結果を得た。1)Ia欠損マウスはLPS刺激による多クローン性IgM産生の低応答性を示す事、そして新生仔期にIa陽性B細胞(educator細胞)を投与された場合には、Ia欠損マウスのB細胞は新たにIa拘束性を獲得し対応するIa分子を発現するB細胞(補助細胞:auxiliary cells)存在下にLPS刺激に反応して正常B細胞と同程度のIgM産生応答を示す様になる事が明らかとなった。即ち、応答性B細胞はIaを発現している必要はなく、I-A拘束性B細胞の生成及び活性化過程にはnon-Ia分子とIa分子とを介するB-B細胞間相互作用が介在する事が示された。2)単一の特異性を示すB細胞だけを有するIg transgenicマウスのB細胞は、LPS刺激に対する多クローン性のIgM産生応答での機能障害を示した。即ち、non-Ia分子と自己Ia分子とを介したI-A拘束性B-B細胞間相互作用は、自己Ia分子そのものに弱い親和性を有する表面免疫グロブリンにより担われている可能性が示唆された。
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