研究課題/領域番号 |
09470097
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西村 泰治 熊本大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10156119)
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研究分担者 |
千住 覚 熊本大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50274709)
松下 祥 熊本大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50167649)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 自己免疫疾患 / HLAクラスII分子 / 自己抗原ペプチド / 自己反応性T細胞 / 疾患感受性 / HLA結合モチーフ / エピトープライブラリー |
研究概要 |
日本人にはユニークな自己免疫疾患が存在し、疾患感受性はアジア人に特徴的なHLAクラスII対立遺伝子と相関する。本研究は、このような現象が生じる機序を解明することを目的し、以下のような研究成果が得られた。 1)視神経脊髄型多発性硬化症(MS)に対する疾患感受性と、HLA-DPB1*0501との相関を明らかにした。さらに関節破壊が強い慢性関節リウマチとHLA-DRB1*0405との、また抗β2GP-I抗体陽性のSLEとHLA-DRB1*0901との相関を明らかにした。 2)インスリン依存型糖尿病(IDDM)自然発症NODマウスが発現するI-A^<g7>分子に関して、疾患感受性と関連するβ鎖^<56>His^<57>Serの^<56>Pro^<57>Asp置換により、結合ペプチドの構造モチーフが変化することを明らかにした。またIDDMおよび抗β2GP-1抗体陽性SLEと相関を示す、HLA-DRB1*0901分子の結合ペプチドの構造モチーフを同定した。 3)IDDM、乳幼児発症重症筋無力症、視神経脊髄型MS、抗リン脂質抗体症候群の患者より、病因・病態の形成に関わりうる自己反応性T細胞クローンを多数樹立し、疾患感受性HLAクラスII分子により提示される自己抗原ペプチドを同定した。さらに自己抗原ペプチド・HLAクラスII複合体は多様であり、疾患感受性HLAクラスII分子に拘束されるものばかりではないことを示し、自己免疫疾患におけるepitope spreadingを支持する観察を得た。また自己抗原ペプチドのアナログで、自己反応性T細胞の応答を抑制するものを多数同定した 4)CLIP置換型Ii鎖遺伝子発現ベクターを用いて、多様なHLAクラスII分子・ペプチド複合体を発現するCOS細胞ライブラリーを作製し、T細胞クローンが認識するTCRリガンドを同定する方法を確立した。
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