研究概要 |
新潟県新発田市A、I、Y、M地区の40歳以上の住民を対象にして、疫学調査を実施した。全住民の約1/3にあたる男性1,114名、女性1,939名、合計3,053名が調査を受けた。 循環器疾患危険因子のうち血圧の平均値は、前回(5年前)と比べて横ばい状態である。血清総コレステロール値は、上昇傾向にあるが、なおも全国平均値(循環器疾患基礎調査成績)よりも低いようである。眼底検査異常者率(K-WII以上)は、低く、心電図所見異常者率よりもかなり低かった。肥満者の頻度は横ばい状態であった。 食事調査は、無作為抽出標本で実施したが、現在、データベース化を行いつつある。身体活動では、高齢者が運動習慣を持つようになってきたが、比較的若い世代では少ない。 登録制度に基づいて、脳卒中罹患率を検討してみると、脳出血、穿通枝系脳梗塞の減少傾向が顕著で、皮質枝系脳血栓は若干の増加を示した。脳塞栓は高齢者で増加していた。心筋梗塞の増加は認められなかった。 今後、2年間で、受検率をできるだけ高くし、現時点における、実態を明らかにし、過去20年間の成績と比較する予定である。
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