研究概要 |
動物実験: 「糖質の摂取量」と「耐糖能」に関する量-影響関係を明らかにした。ラットに「糖質の摂取カロリ-60%の標準食」または「lO%の低糖質食」を7日間・3日間・1日摂取させた後,経腹腔内ブドウ糖負荷試験を施行した。その結果,3日以上の低糖質食の摂取によって,耐糖能が有意に悪化した。 疫学調査: (1)某事業所の従業員に対し75gOGTTを施行した。その結果に基づき、境界・糖尿病型(40名)と性・年齢をマッチした正常型(130名)の2群に対してアンケート調査を実施した。その結果、境界・糖尿病型の者は、正常型の者に比べ、家族歴に糖尿病を持つ者が多く、飲酒量や喫煙本数が多いことが判明した。また、耐糖能異常指摘後、肉・ご飯・パン・動物性脂肪・砂糖・塩分などを減らし、魚・牛乳・乳製品・大豆・果物・野菜などを増やす傾向が認められた。(2)某大学医学部附属病院の糖尿病外来受診中または入院中の糖尿病患者(糖尿病群,43名)と糖尿病以外の疾患が原因で来院している患者(対照群,50名)の生活習慣を調査した。両群間に、性・年齢差は認められなかった。「糖尿病発症前(20代の頃)」の生活習慣の比較:糖尿病群は、睡眠時間が短い/飲酒・喫煙量が多い/運動量が少ないなどの悪習慣をもつ者や油っぽい食事を好む者が多かった。現在の生活習慣の比較:糖尿病群は、運動を心掛けている者が多かった。摂取量の最も多い食事は、糖尿病群で「昼」、対照群で「夕」と答える者が多かった。糖尿病指摘後の生活習慣の変化:糖尿病指摘後、肉・動物性脂肪などの摂取を減らし、魚・野菜・豆類・ご飯・乳製品などの摂取を増やしている者が多かった。また、食生活で気を付けていることとして、食べ過ぎない/体重を減らす/栄養のバランスをとる/炭水化物摂取量を減らす/砂糖摂取を控えるなどが挙げられた。家族歴:糖尿病群は、糖尿病の家族歴をもつ者が多かった。
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