研究課題/領域番号 |
09470113
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
多田羅 浩三 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20107022)
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研究分担者 |
高鳥毛 敏雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20206775)
新庄 文明 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30154389)
中西 範幸 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90207829)
村上 茂樹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00273673)
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キーワード | 仕事の要求度 / 自覚的健康度 / Multilevel analysis |
研究概要 |
職場におけるストレスが健康に及ぼす影響については、「仕事の要求度-コントロール-支援モデル」が提唱されている。このモデルを用いた研究は、これまで個人を単位としたものが主であったが、欧米では職場を単位とした研究においても、このモデルの有用性が確認されてきている。我々は、わが国の職域集団において、個人および職場を単位として仕事の要求度が個人の自覚的健康度に与える影響を明らかにすることを目的として以下の分析を行った。 平成10年2月に35歳以上のT市職員を対象に行ったアンケート調査をから、仕事の要求度-コントロール-支援モデルの尺度を、Whitehall II Studyで採用した項目に基づいて作成した(α係数0.64〜0.83)。分析は回答者が4人以上の130課の1,138人(男834人、女304人)を対象とし、SUDAAN7.5を用いてロジスティック回帰分析によるmultilevel analysisを行った。 自覚的健康度の回答(きわめて良好・良好・普通・悪い・きわめて悪い)のうち、「悪い」、「きわめて悪い」と回答した自覚的健康度不良群は195人、それ以外の自覚的健康度良好群は943人であった。この自覚的健康度(不良)を目的変数として、個人レベルでの仕事の要求度、コントロール、社会的支援の大小を独立変数とする分析と、職場(課)レベルで仕事の要求度、コントロール、社会的支援が大きいとする者の割合の大小を独立変数とする分析(multilevel analysis)を行ったところ、個人レベルでは仕事の要求度の大小によりオッズ比で2.23倍、職場レベルでは仕事の要求度が大きいとする者の割合の大小で1.36倍、自覚的健康度が不良であると回答する者が多かった。これらより、わが国でも「仕事の要求度-コントロール-支援モデル」が個人および職場レベルで有用であることが示唆された。
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