ストレスのセルフコントロールのための健康学習が行える新しい教材を開発し、その教材によりストレスの健康教育においてどのような指導が適切かを検討し、さらにこの教材をインターネット上で利用が可能でイントラクティブな対応ができるホームページの形に作り替えて一般に公開したうえで、インターネットを通じてのストレス健康教育が有用なものであるかを検討することを研究の目的とした。 本年度は、昨年までに作成した紙上の教材を基に、実際インターネットで公開するホームページを作成した。ホームページはサーバーやダウンロードの時間などの制約のために文字情報を中心としたものとした。提供する情報は、ストレスについての一般的知識、ストレス自己判断のための各種質問票、状況に応じたストレス対処法などよりなっている。これらに対して閲覧者は自由に希望の情報をメニューから選択できるようになっている。これらのメニュー項目に対して、ホームページを見ていない者と実際閲覧した者の関心度の違いからプログラムの組立てや構成について検討することとした。その結果、両グループともストレス自己判断について特に強い関心を示し、ストレスの一般的知識には関心が低い。また、内容的にはストレスチェックに次いで身体的影響に関心が高く、より手間を要する予防法には関心が低かった。両グループに明らかな差が認められないことより、ストレス健康教育に対しては即応的な現在のストレス状態についての判定と対処にニーズが高く、これらの項目わ導入として一般的知識や予防法へと進める一連のプログラムを構築する必要があることが明らかとなった。今後はこの方向にそった新たなプログラムを開発し、インターネットあるいはCD-ROMなどの媒体を通じて提供することを検討している。
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