インターネットを通じてインターラクティブにストレスのセルフコントロールについて学ぶための健康教育教材を開発し、その教材の構成と閲覧者の態度の変容について検討した。 初年度に健康信念モデルに基づいたテキスト版のストレス健康教育教材を作成し、希望者104名を対象にその評価について調査した。これに基づいて、ストレス健康教育ホームページの試作版を公開し、アクセスした者に広く意見を求めた。これらの結果に基づいて、ストレスの基礎知識、ストレス状態等の測定、ストレス解消の技法、ストレス管理法、ストレス予防法についての文字情報を主体としたホームページを完成させた。また、ホームページの非閲覧者282名と実際にアクセスして内容を閲覧した者172名を対象にこれらのホームページの表題や項目についての関心度を調査し、性別、年代別に有意水準0.05にてPersonのカイ自乗検定および残差の分析を行った。その結果、全体では両群ともストレス測定に強い関心を示し、予防や知識についての興味は低かったことがわかった。しかし、非閲覧者30歳代では比較的知識の内容に、閲覧後の20歳代では解消技法に興味を示す者が多く、閲覧後の30歳代では知識に興味を示さない者が多いなど、年代によってある程度の特徴が見られた。また、両群とも項目ではストレスチェックリストや至適解消技法、ストレスの身体への影響について興味を示す者が多く、行動計画やストレス日誌には興味の少ない者が多い一方で、知識や予防についても興味を示す者が多い項目も存在することがわかった。このことより、全般的にストレスの測定についてまず知りたいと思い、知識や予防については関心が少ないが、特定の項目では知識や予防についても関心があり、必要な項目を特に選ぶ傾向にあり、インターラクティブな情報伝達には効果があるものと考えられる。今後はホームページの構成を測定項目を中心に予防へと導くように改良するのが有効と考えられる。
|