研究課題/領域番号 |
09470128
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
橋本 博史 順天堂大学, 医学部, 教授 (60053120)
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研究分担者 |
小林 茂人 順天堂大学, 医学部, 講師 (40186739)
高崎 芳成 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80154772)
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
戸叶 嘉明 順天堂大学, 医学部, 講師 (40217469)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / HLA-class II / 児 / 抗核抗体 / CD80 / CD86 / Fas / B細胞 / T細胞 |
研究概要 |
[目的]抗核抗体はSLEの診断基準の1項目であるが、抗核抗体陽性者がすべてSLEを発症するわけではない。しかしながら、SLE発症前段階における経時的な免疫学的変化を解析した報告はなく、抗核抗体陽性者の中でどのようなリンパ球を主とした免疫学的異常が認められた時にSLEが発症するかは不明である。本研究ではSLEの患者より出生した児(SLE児)における、抗核抗体の力価の変動と、リンパ球機能との関連について追跡調査を行い、更にSLEの病因について検討することを目的とした。[対象と方法]SLE児を対象とし、抗核抗体、末梢血リンパ球細胞表面分子の解析を行った。[結果](1)SLE児の抗核抗体の陽性率は、健常児に比べ高率であり、男女比は、女児に有意に高かった。また経時的に経過を追えたSLE児で抗核抗体が陽性化した年齢は4〜8歳に集中していた。(2)全SLE児においては抗核抗体陽性例が陰性例に比べ、CD4/CD8比が有意に低下していた。またSLE児ではCD4/CD8比比は3〜4歳で一過性に低下していた。(3)SLE児では1歳〜10歳間でCD3/CD19比が上昇する傾向があった。(4)SLE児の末梢血Bリンパ球をCD40抗体で刺激後Fasの発現パターンを検索したところ、11例中抗核抗体陽性であった1例にFas低発現B細胞を認めた。[結語]今回、経時的に観察できた対象の中にはSLEを発症した病例は認めなかったが、SLE児にはいくつかの免疫学的変化がみられた。今後SLE児の追跡調査を続けることにより、SLEの発症要因の究明に役立つと考えられる。
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