我々は独自にマウスヒスタミンH2受容体遺伝子のクローニングに成功し cDNA配列、アミノ酸配列、遺伝子マップの決定を既に終えた。得られたアミノ酸配列から抗体を作製して、免疫染色により壁細胞での存在を確認した。本研究の成果は現在論文印刷中である(Didestion in press)得られたゲノムクローンからターゲティングベクターを作製した。それをマウス胚幹(ES)細胞に導入して、相同組換えを起こしているクローンを複数個得ることに成功した。そのマウス胚幹(ES)細胞のうち核型、形態の良いものをマウスのblastocysに導入してキメラマウスを数匹得ることに成功している。予定ではホモマウスを得て解析を行っているはずであるが今のところへテロマウス・ホモマウスの作製に至っていない。かなりの数のインジェクションを行ったのでもともと用いたES細胞株自体の質が悪かったことも考えて、念のため新たなES株を入手してスクリーニングを行い多くのクローンを得ている。このクローンを吟味して、今までのものに加えてインジェクションを行いホモマウスの作成を行っている。マウスの解析には、プロトンポンプ・ガストリン受容体・アセチルコリン受容体など胃酸分泌に関与する蛋白の発現の変化を蛋白レベル(組織染色・ウエスタンブロッティング)、遺伝子レベル(ノーザンブロッティング、RNase Protection Assay)で検討する必要がある。すでにこれらの遺伝子のcDNA断片は独自にクローニング済みでマウスが作製されればいつでも開始できる状態にある。
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