研究課題/領域番号 |
09470137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森安 史典 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80191055)
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研究分担者 |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50211371)
岸 清彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (20273774)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 微少気泡 / DNA導入 / c-myc遺伝子 / 超音波照射 / 肝臓 / ポリ乳酸製微少気泡 / カチオン化ゼラチン / 肝細胞 |
研究概要 |
微少気泡へのDNAの吸着法の確立:DNAとヘキサメチレンジアミンを用いてカチオン化したゼラチンの複合体を作製し、その荷電を用いてポリ乳酸製微少気泡(OUC82755、内部ガスperfluoropropane)の表面にDNA/カチオン化ゼラチンを安定的に吸着させる方法を確立した。 Sonoporation現象によるDNA導入:RGM-1細胞にルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドの導入を試みた。このDNAとカチオン化ゼラチンの複合体を作製し、これを培地に混和した後、臨床診断に用いる比較的低い音圧レベルの超音波を照射した。照射48時間後のルシフェラーゼ活性は、コントロール群に比して約500倍高かった。このことからDNA/カチオン化ゼラチン複合体の存在下に超音波照射を行うとSonoporation現象によるDNA導入が促進されることを確認した。 動物におけるDNA導入促進:前述の微少気泡をカチオン化ゼラチンでコーティングし、c-myc遺伝子を結合させて複合体を作製した。この複合体をマウスに静注し、その後肝臓に体外から超音波を照射し、一定時間後に肝臓を摘出、該当遺伝子の発現を免疫染色で検討した。DNA単独群、DNA/ゼラチン複合体(微少気泡なし)群、微少気泡/カチオン化ゼラチン/DNA群での比較の結果、微少気泡/カチオン化ゼラチン/DNA群で肝細胞におけるc-myc蛋白の発現が最も強いことを確認した。微少気泡/カチオン化ゼラチン/DNA複合体は、肝臓に特異的に集積する性質を持つ。この結果はこの微少気泡/カチオン化ゼラチン/DNAの肝集積性に加え、超音波照射により一層肝細胞への遺伝子導入が促進されたものである。 以上の研究成果は、微少気泡と超音波を用いることによって動物の肝臓への遺伝子の導入効率を飛躍的に高めることが出来る事を示しており、臨床への応用が期待される。
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