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1997 年度 実績報告書

家族性筋萎縮性側索硬化症の分子病態解明と遺伝子治療

研究課題

研究課題/領域番号 09470151
研究機関東北大学

研究代表者

阿部 康二  東北大学, 医学部, 助教授 (20212540)

研究分担者 松原 洋一  東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (00209602)
キーワードALS / SOD / トランスジェニックマウス
研究概要

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、今日までその原因が充分には明らかにされていない進行性難治性筋疾患で、主として運動ニューロンの選択的細胞死を惹起して筋萎縮をもたらし、その予後が極めて不良でありながら有効な治療法は未だ確立していない。ALS発症者の5-10%は遺伝性で(FALS)、1993年には細胞質内の活性酸素消去機構であるCu/ZnSOD(superoxide dismutase)遺伝子に点突然変異が見い出されてきて、これが一部のFALSの原因遺伝子であることが強く推定されるに至った。
すでに以前の研究により日本人の家系を用いた予備的な研究によって2家系のCu/ZnSOD遺伝子に、これまで検討された150以上の白人家系でも見られていない症状の進行が極めて遅いなどの際立った臨床的特徴を持った新しい遺伝子変異(点突然変異)を見い出して報告している(H46R変異)。さらに本年度の本研究により、もう6家系においても、白人家系にはまだ報告のないCu/ZnSOD遺伝子の6つの異なった異常を見い出した。異なった遺伝子変異は、それぞれに特徴的な臨床所見を示しており遺伝子変異と臨床的特徴の関連が注目される。さらにCu/ZnSOD遺伝子変異による蛋白チロシン残基のニトロ化が運動ニューロン死のメカニズムに深く関与していることを証明した。一方、変異SOD遺伝子導入マウスにおいてアデノウイルスを用いた遺伝子治療の基礎的検討も行ない、これらの研究は本病の原因解明の足掛りとなり、本年度の当初目的は達成できたものと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Watanabe et al.: "A novel missense point mutation of the Cu/ZnSOD gene in FALS." Human Mutation. 9. 69-71 (1997)

  • [文献書誌] Abe et al.: "Upregulation of protein-tyrosine nitration in the anterion horn cells of ALS." Neurol Res.19. 124-128 (1997)

  • [文献書誌] Aoki et al.: "A ps-1 mutaton in a Japanese family with Alzheiners disense and distinctive abnormalities on cranial MRI." Neurology. 48. 1118-1120 (1997)

  • [文献書誌] Abe et al.: "In vivo expression of adenoviral-mediated E-coli LacZ gene in igchemic and reper fused rat brain." Brain Res.763. 191-202 (1997)

  • [文献書誌] Hayashi et al.: "Rapid induction of VEGF gene after transient MCA occlusion in rat." Stroke. 28. 2039-2044 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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