研究課題/領域番号 |
09470156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
清水 輝夫 帝京大学, 医学部, 教授 (00107666)
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研究分担者 |
大井 浩明 昭和大学, 薬学部, 講師 (60194065)
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
松村 喜一郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (50260922)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 肢帯型筋ジストロフィー / caveolin-3 / dystrophin結合蛋白 / 信号伝達 / トランスジェニックマウス / 遺伝子工学 |
研究概要 |
小児期発症で重症の筋ジストロフィーであるDuchenne筋ジストロフィーの原因蛋白であるdystrophinは骨格筋細胞において複数の糖蛋白と結合し複合体を形成している。本研究では骨格筋におけるdystrophin糖蛋白複合体の構成要素の分子構築を生化学的、細胞生物学的に検討するとともに、これら蛋白の異常を分子生物学的手法で導入しその効果を解析した。細胞接着因子としてdystrophin糖蛋白複合体の中で最も重要な要素はα-dystroglycanを膜貫通蛋白であるβ-dystroglycanが細胞膜につなぐ構造をとるdystroglycan複合体であった。dystroglycan複合体はその糖鎖を介して筋細胞基底膜外のlaminin-2、agrinとカルシウム依存性に結合していた。その発現は組織の分化と関連していた。一方、dystrophin糖蛋白複合体の中で信号伝達系に関与する要素としてcaveolin-3に注目、その遺伝子変異を持つトランスジェニックマウスを作製した。また筋細胞膜でcaveolin-3が消失していたもののdystrophin糖蛋白複合体の他の構成要素は保たれていた。さらに筋細胞膜でのnNOS活性が異常に亢進していたことより、信号伝達異常が筋細胞変性に寄与しているものと考えた。以上の結果はdystrophin糖蛋白複合体が細胞接着因子であるとともに信号伝達因子であることを示唆している。
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