研究課題/領域番号 |
09470159
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
永井 良三 群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
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研究分担者 |
宇都木 敏浩 群馬大学, 医学部, 教務員 (10282386)
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 講師 (00215047)
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 助手 (60270857)
中村 哲也 群馬大学, 医学部, 助手 (10272238)
鍋島 陽一 国立精神神経センター, 神経研究所, 部長(研究職) (60108024)
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キーワード | 老化 / 老化抑制遺伝子 / aging / klotho |
研究概要 |
【目的】我々は最近、個体老化の抑制機能をもつ新規遺伝子klothoを見いだした。klothoは分子量が10万で、膜結合型ドメインをもつ。しかしこれまでの検討で、分泌されて液性因子として機能する可能性も指摘されている。klotho遺伝子欠損マウスでは著名な動脈硬化、肺気腫、骨粗しょう症などをきたす。さらに、心臓は肥大が存在しないにも関わらず、肥大時にみられる遺伝子発現をしめす。 本研究ではklotho遺伝子の循環調節機能を明らかにするため、klotho遺伝子欠損マウスを用いて、大動脈と末梢動脈における内皮および平滑筋機能を明らかにすることを目的とした。【方法】klotho遺伝子欠損ヘテロマウスより大動脈輪状標本を作製し、krebs液による潅流下、ノルエピネフリンに対する収縮反応とアセチルコリンに対する拡張反応を検討した。またヘテロおよびホモ個体より拳睾筋内の末梢動脈をビデオTV下に観察し、同じく収縮反応と拡張反応を観察した。さらにヘテロ個体と野生型のparabiosisを作成し、血管機能異常が改善するか否かを検討した。【結果】ヘテロ個体の大動脈、ヘテロおよびホモ個体の末梢動脈のいずれにおいても、ノルエピネフリンに対する収縮反応が増強し、アセチルコリンに対する拡張反応が低下していた。また各個体で産生されるLNAME依存性NOは低下していた。さらにヘテロ個体と野生型のparabiosisを作成により、ヘテロ個体で認められた内皮細胞障害は野生型と同程度まで回復した。【総括】klotho遺伝子産物は血管内皮細胞のNO産生を高めることにより、血管保護効果を示す液性因子と考えられる。
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