1)congenic strainの確立 WKYの遺伝的背景にSHRのSA領域を導入したものを作成した。テレメトリーを使い、幼若週齢から連続的に血圧値をモニターした。また、食塩負荷にてSA遺伝子領域の血圧に対する影響は高まるので、食塩負荷したものについても検討した。腎クリアランステストを行い、F2ラットで観察された腎機能(GFRやFF)に対する、この領域の影響を確認した。現在論文作成中である。 2)ヒトに於ける候補遺伝子の検討 b3-adrenergic receptor、alpha-adducin、と高血圧、高血圧合併症の関連の有無の検討を行った。いわゆる低レニン性高血圧患者及びapparent mineral corticoid excess syndromeが疑われる数人につき、11b hydroxysteroid dehydrogenaseの5′プロモーター領域を含む全長に関して、シークエンスを行ったが、変異は見い出されなかった。 また、ヒトSA遺伝子の全長を含むBACクローンの単離に成功し、これを用いて、SA遺伝子のイントロン・エクソン接合部を決定し、また、遺伝的変異の精査を行い、4種類の変異の同定に成功した。今後この変異と高血圧などとの相関を調べる予定である。
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