研究課題
1.炎症性サイトカインをブタ冠動脈に慢性作用させると冠動脈硬化病変が生じ、同部ではミオシン重鎖の脱分化方向への形質変換が生じていた。2.冠動脈への血小板由来増殖因子(PDGF)の慢性投与によって生じる冠動脈病変は、選択的チロシンキナーゼ阻害薬であるST638の同時投与により著明に抑制された。3.炎症性サイトカインの慢性投与により生じる冠動脈病変では、血小板活性化因子(PAF)の投与により過収縮が生じ、その機序としてプロテインキナーゼC(PKC)を介する細胞内シグナル伝達路の異常が示唆された。4.炎症性冠動脈硬化病変に一過性に発現する誘導型NO合成酵素は、動脈硬化病変や冠攣縮の発生を抑制し血管保護的に働くことを明らかにした。5.炎症性冠動脈病変において惹起されるセロトニン誘発性冠攣縮はミオシン軽鎖のリン酸化の亢進が主因であり、プロテインキナーゼ阻害薬であるfasudilにより著明に抑制された。
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