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1999 年度 実績報告書

新規降圧ペプチド"アドレノメデュリン"と"PAMP"の病態生理学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09470171
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

江藤 胤尚  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10038854)

研究分担者 加藤 丈司  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20274780)
北村 和雄  宮崎医科大学, 医学部, 講師 (50204912)
キーワードアドレノメデュリン / PAMP / 新規循環調節ペプチド / C末のアミド構造 / アンジオテンシンII / C-キナーゼ / AM-Gly(iAM) / 心筋の蛋白合成
研究概要

"アドレノメデュリン(AM)"と"PAMP"は1993年にヒト褐色細胞腫より発見された共通の前躯体より生合成される強力な血管拡張性の降圧ペプチドである。AM・PAMPは副腎髄質以外に心血管系のの主要な組織で広く産生され、新しい降圧ペプチドとして循環調節に重要な機能を果たしている可能性が示唆されている。本研究では新規循環調節ペプチドであるAMとPAMPの病態生理学的意義を解明するための研究を行っている。
AMの新たな作用として、AMは心筋の蛋白合成を著明に抑制することが明らかにした。一方、心筋細胞でのAMの生合成分泌には、アンジオテンシンIIによるC-キナーゼの活性化と細胞内Caイオンの増加が重要であることが明かとなった。これらの事実は心筋で生合成されたAMが心筋自体に作用して心筋の蛋白合成抑制を抑制する事が推定され、現在その機序やAM受容体との関連について検討している。
AMの降圧活性にはAMのリング構造とC末のアミド構造の両者が必須である。本研究ではAMのリング構造を認識するRIAを確立し、分子型の定性を行い、ウシ副腎髄質よりAM(11-26)を内在性の昇圧ペプチドとして同定した。AM(11-26)は強力な昇圧活性を示し、生体内で循環調節に関与している可能性が示唆された。
ヒト血中を循環しているAM免疫活性は成熟型AM(mAM)が合成される前の中間体のAM-Gly(iAM)であることを証明した。降圧活性を有するmAMは主に下肢の血管床や心臓で産生、分泌され、肺循環でクリアランスされていることが明らかとなった。mAMが特に静脈系で高濃度に循環していることは、mAMの主な作用が体液量、肺血管抵抗の調整に関与していると推察された。今後各種疾患におけるmAMとtotalAMの血中濃度が明らかにされてくると思われる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Tsuruda,T.,et al.: "An autocrine or a paracrine role of adrenomedullin in modulating cardiac fibroblast growth."Cardiovasc.Res.. 43. 958-967 (1999)

  • [文献書誌] Hirayama,N.,et al.: "Molecular forms of circulating adrenomedullin in patients with congestive heart failure."J.Endocrinol.. 160. 297-303 (1999)

  • [文献書誌] Ishihara,T.,et al.: "Increased plasma levels of mature form of adrenomedullin in patients with chronic renal failure."Clin.Nephrol.. 52. 119-123 (1999)

  • [文献書誌] Kitani,M.,et al.: "Cell density of adrenomedullin-immunoreactive cells in the gastric endocrine cells decreases in antral atrophic gastritis."Histopathology. 34. 134-139 (1999)

  • [文献書誌] Kinoshita,K.,et al.: "Plasma and urine levels of adrenomedullin and oroadrenomedullin N-terminal 20 peptide in chronic glomerulonephritis."Am.J.Kid.Dis.. 34. 114-119 (1999)

  • [文献書誌] Eto,T.,et al.: "Biological and clinical roles of adrenomedullin in circulation control and cardiovascular diseases."Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.. 26. 371-380 (1999)

  • [文献書誌] 北俊弘、江藤胤尚: "高血圧の診断と治療"医書出版社. 29-37 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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