研究課題/領域番号 |
09470176
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤枝 憲二 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (60173407)
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研究分担者 |
諸橋 憲一郎 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所・形質統御実験施設, 教授 (30183114)
斉藤 伸治 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (00281824)
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キーワード | DAX-1 / 遺伝子変異 / 先天性副腎低形成症 / 遺伝子発現 / 遺伝子制御 |
研究概要 |
「目的」DAX-1蛋白は、核内転写因子として機能すると想定されているが、その詳細は明らかにされていない。本研究では、DAX-1蛋白の構造と機能を明らかにすることを目的として、1)DAX-1異常症の同定及び遺伝子変異と病態との関係、2)DAX-1の生体内分布の検索、3)DAX-1遺伝子の下流の遺伝子の同定と他の転写因子との関わりを検討する。 「方法と結果」1)副腎低形成症の1例において、新しい変異L466Rのミスセンス変異、deNovo変異による遺伝子欠失例を同定した。対象症例18例中6例に中枢性性腺機能低下症の合併を認め1例は下垂体性であった。2)ヒトDAX-1cDNA全長を用い、GST融合蛋白として大腸菌に発現させDAX-1蛋白を作成し、これを家兎に免疫し抗ヒトDAX-1蛋白特異抗体を作成した。ヒト下垂体、副腎、睾丸組織における免疫組織染色にてそれぞれの細胞にDAX-1蛋白が存在するこを確認した。3)DAX-1遺伝子の下流にあると考えられるACTH受容体遺伝子にはなんら作用が認められなかったが、StARプロモーターに作用しStARの活性を抑制し、SF-1 siteの数により抑制が異なることを明らかにした。 「考察」L446R変異は、同定されている変異の中で最もC末端側に存在し、また立体構造上でH12に存在しligandとの結合において重要な部分であることが示唆された。したがってDAX-1のC末端が機能上重要であることがさらに支持された。DAX-1はStARプロモーターに結合しその作用を抑制する結果をえた。このことはDAX-1はStARを介してステロイド合成を調節していることが示唆され、今後副腎、睾丸におけるDAX-1の機能をさらに検討する予定である。免疫組織染色にて、ヒトの下垂体、副腎細胞にDAX-1蛋白が存在することを明らかにした。今後細胞の特異性の検索をして行く予定である。
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