研究概要 |
DAX-1蛋白の構造と機能を明らかにすることを目的として以下の研究を行った。 1)X連鎖型先天性副腎低形成症で同定した変異DAX-1遺伝子の機能解析をStARプロモーターを用い検討し、同定した5種類のミスセンス変異(V269D,L278R,X291C,K382N,L466R)は、Wild typeが持つStARプロモーター活性抑制作用を喪失していること、またN末端にあるV126Mは多型であることを示した。したがって、DAX-1のC末端が機能上重要であることを示唆した。 2)同定したミスセンス変異のDAX-1蛋白の構造変化を知るために、RAR-γ2の3次元構造をもとにDAX-1蛋白の3次元構造を構築した。DAX-1のAF-2ドメインに存在するミスセンス変異L466Rは、Ligandとの結合に重要な部位であることを明らかにした。 3)DAX-1異常症に合併する性腺機能低下症の成因を検索し、下垂体でのゴナドトロピン分泌が障害されること、精巣においてはステロイド産生能は正常であるが、精細管機能、精子形成能が障害されていることを明らかにした。 さらに、in vitroにおいてゴナドトロピン分泌に及ぼすDAX-1の機能について検討し、DAX-1はLHβプロモーター活性抑制し、分泌を調節しており、変異DAX-1はこの抑制作用を喪失していることを明らかにした。 4)DAX-1の作用機構をStAR遺伝子との関わりで検討し、コアクチベーターRIP140を同定した。DAX-1は、SF-1,RIP140と共約し、StR遺伝子の発現を調節していることを明らかにした。
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