研究概要 |
平成10年度の研究計画に基づき、血管内皮細胞に対する負荷実験を行い下記の結果を得た。 1. ヒト臍帯静脈由来内皮細胞(HUVEC)を弾性円筒管内に培養し、灌流装置に装着後下記の3条件を組み合わせ負荷実験を行った。 shear stress:0.3,7,15[dyn/cm^2] cyclic stretch:0,10,20[%] mean pressure:0,40,80[mmHg] 24時間負荷終了後Total RNAを抽出し、RT-PCR法によりeNOS,ET(PPET)のmRNAレベルの変化を検討した。 (1) eNOSのmRNAレベルはshear stressによりcontrolの2倍(7[dyn/cm^2]),4倍(15[dyn/cm^2])に増加したが、stretch,pressureでは変化しなかった。 (2) ETのmRNAはshear stressによりcontrolの80%(7[dyn/cm^2]),60%(15[dyn/cm^2])に低下した。逆にpressure(80mmHg)、stretch(20%)では約1.5倍に増加した。shear stress,stretch,pressureを同時負荷すると各々の効果が抑制されcontrolの99%となった。 2. ET転写開始点上流-3.7kb断片をpGL3e Luciferase vectorに挿入。HUVECへ導入後、shear stress 15[dyn/cm^2],pressure 160[mmHg]で負荷実験後、luciferase assayを行い転写活性を検討した。ET転写活性はshear stressにより約80%になり、pressureにより約1.4倍に増加した。
|