研究概要 |
平成12年度の研究計画に基づき、血管内皮細胞に対する負荷実験、心臓カテーテル検査における圧波形解析を行い下記の結果を得た。 1.拍動流に対するヒト臍帯静脈由来内皮細胞(HUVEC)NO,ET産生能変化を検討するためにHUVECを弾性円筒管内に培養し、灌流装置に装着後、ずり応力7[dyn/cm^2]、平均内圧80[mmHg]の定常流で一定の伸展張力10%の場合と、拍動流で10%伸展張力を負荷実験を施行した。24時間負荷終了後Total RNAを抽出し、RT-PCR法によりeNOS,ETのmRNAレベルの変化を検討した。eNOSのmRNAレベルはshear stressによりcontrolの2倍に増加したが、定常流と拍動流で有意差は認めなかった。 2.心臓カテーテル検査で得られた肺動脈拡張期圧波形からWindkessel modelを応用し肺動脈コンプライアンス(Cp)を算出した。Cp正常値は1.53±0,17[mL/mmHg/m2]であり、ASD症例で1.91±0.10、VSD症例で1.70±0.10、VSDPH症例で0.59±0.06、とPH群で有意に低値を示した。VSDPH術後は肺血管抵抗は高値を持続したが、Cpは正常化を認めた。
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