研究概要 |
平成10年度における主たる成果は以下の通りである. 1. XP22.3に想定される非特異的知能障害遺伝子 この遺伝子領域の微小欠失を有する知能正常の保因者女性において,ランダムX染色体不活化が生じていることを見いだし,この知能障害遺伝子がX染色体の不活化を受けないという証拠を得た.また,昨年度発見した候補遺伝子の変異購枡を,運鎖解析からXp22に知能障害遺伝子がマップされる3家系および知能障害を有するターナー症候群患者を対象として行った.その結果、残念ながら変異は見いだせなかった. 2. XP21.3に想定される非特異的知能障害遺伝子の限局化 Xp21.3の微小欠失と知能障害を有する4家系の解析から、同領域の非特異的知能障害遺伝子を、DXS7182からDXS7188の約2Mb領域に限局した.この領域は,非特異的知能障害を有する男性において欠失していることが報告されているDX81218座位を含む. 3. マーカーX染色体の不活化解析 マーカーX染色体を有する11例においてX染色体不活化解析を行い,活性型Xダイソミーと知能障害の関連性を検討した.その結果、活性型Xダイソミーが知能障害を招くか否かは,主に,マーカーX染色体が神経系発生のどの段階で生じるかにより決定されることが示唆された.
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